【実録】怪しすぎる「闇マスク(?)の移動販売車」でマスクを購入したらこうだった

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新型コロナウィルスが流行し始めたと同時に、真っ先に世間から姿を消したのが「マスク」である。振り返ってみると、2020年2月12日には菅官房長官が「来週以降には品薄が緩和される見込み」としていたが、あれから2カ月以上が経った今もマスクが不自由なく購入できる環境は整っていない。

その間、マスクの転売が法律で規制され、いわゆる “アベノマスク” も世間をにぎわせたが、ついに記者は「闇マスク(?)の移動販売車」まで目撃してしまった。怪しすぎるにも程がある……! というわけで、とりあえずマスクを1枚購入してみることにした。

・明らかに怪しい

最初に断っておくと、私(P.K.サンジュン)が遭遇した「マスクの移動販売車」が、正規なのか闇なのかは最後まで明らかにならなかった。闇の定義を “非合法” だとした場合、もしかしたらギリ法律違反ではない可能性もあるが、見た目や雰囲気、やり取りした印象を考慮した結果、個人的には闇だと確信している次第だ。

さて、私が「闇マスクの移動販売車」に遭遇したのは、4月25日(土曜日)の午前中。朝食を購入しに買い物に出かけたところ、ひと際目を引く怪しい軽自動車を発見したのであった。

軽自動車の後部座席とリアガラスには「マスクあります。110~550円。電話番号〇〇」との張り紙が。その字はお世辞にもキレイとは言えず、わずかでも教養やセンスの良さを感じることはできない。

100メートルほど走っては停車、100メートルほど走っては停車を繰り返す怪しい軽自動車。そこはかとなく漂う “スラム感” と言うべきか、それとも “世紀末感” と言うべきか。とにかく怪しすぎて、私が見ている間は誰1人として声をかける人はいなかった。

・50代半ばの男性

本来ならば華麗にスルーしているところだが、私の仕事はライターである。「これはネタになる」と確信し、思い切ってマスクの移動販売車に声をかけてみることに。中からいそいそと出てきたのは、50台半ばとおぼしき1人の男性であった。以下で男性とのやり取りを記述する。

──おじさん、110円と550円って書いてあるけど、1枚の値段なんですか?

「ああ……、550円の方は布マスクで売り切れ。今あるのは110円の方」

──これって1枚の値段が110円ってことですか?

「そう、そうです」

──どうですか? マスクは売れてますか?

「ああ、うーん、まあ……」

──マスクの箱があるけど、これをバラ売りしてるってことですか?

「うん、そう」

──張り紙に電話番号が書いてあるけど、リピーターもいるんですか?

「うーん、どうかな……」

後ろめたさもあるのか、おじさんに覇気は無く、あまり中身のない会話が続いた。結局マスクを1枚購入したのだが、なぜか110円ではなく100円だったことも含めて謎が多い。

この件をSNSに投稿したところ「転売ヤーが在庫を処理しているのではないか?」との意見もあったが、個人的にはそう思えなかった。理由は車内にある在庫がせいぜい30枚ほどであったこと、そして何より「おじさんが良い生活をしているように見えなかったから」である。

・あらゆる意味で闇深い

車内のマスクを全部売りさばいたところで3000円ほどにしかならず、車外から投げかけられる白い目には心も痛むハズ。さらに警察の目にでも留まれば「職質待ったなし」であることは間違いない。それでもわずかな金のためにマスクを売り続けているのかと思うと、ただ「切ねえな」と感じただけであった。

当然、それが作戦だった可能性もゼロではない。もしかしたら、おじさんは “マスク御殿”に住んでいるかもしれないが、個人的には「50代の初老男性がここまでして金を稼がなくてはいけない現実」の方が心に重くのしかかった。ここまでしないと生きていけないのか、いまこの国は──

おそらく、私が遭遇したおじさんは闇であろう。何度ポジティブに考えても、結論は「闇」である。だがしかし、おじさんのそれどころではない「遥かに大きな闇の存在」を感じずにはいられない、土曜日の朝であった。

参照元:毎日新聞
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.